夢見たものは


次の日から、何だか気まずい。
隣が間宮君だからだろう。


隣をチラッと盗み見ると彼は窓の外を見ていた。


よりによって同じクラスの隣の席の人に嫌われるとか、想像していなかった。
転校したばかりだし、もしものときを考えると・・・、私のほうが立場が危ういかも。


そんな妄想をしていると、美奈が登校してきた。



「陽菜~おっはよーん。」

「美奈、おはよう。」

「あれ?陽菜元気ない?どうしてどうして?朝からあたしウザかった?」

「そんなことないよ。全然元気だよ。」



まぁ、若干ウザいと思ったのは否定できないけれど。



「おい。」

「・・・。」

「おいって。」

「え。私?」



美奈とくだらない会話をしていたら急に話しかけられた。
しかも相手は間宮君に。



「今日、放課後、絶対部室に来て。」

「え、何で?」

「別に。」




別にって、ちょっとこの人自分から呼び出しといて理由言わない訳?


はぁー?!?!

私もナメられたものだと思う。
転校して間もないけれど、転校生ってこんな扱い受けるわけ?




こうなったら、無視よ。

すっぽかしてやるわ。

絶対行かないんだから。
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