夢見たものは




「望月先生。」

「何?」



私は美奈の行き先を探そうと思い、職員室を訪ねた。
先生なら何か知ってるかもしれないと思った。




「明石さん知りませんか?」

「あら、明石さんなら早退したけど、長瀬さん聞いてなかった?」

「え、知りませんでした。」

「そう。あ、丁度良かった。今日も部室に集合ね。間宮君にも伝えておいて?」

「はい。失礼しました。」




美奈は早退したようだ。
気分が悪そうには見えなかったけど。




それから私は隣の席に誰もいないまま授業を受けた。












「間宮君、今日放課後部室に集合だって。」

「・・・。」








間宮君は私の目をちょっとだけ見て、すぐに窓の方を向いてしまった。






今日は一体何なんだ。

美奈も間宮君も。





授業も全くつまらないまま放課後を迎えた。
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