夢見たものは




結局、外をしばらく歩いてみると、相当自分の体調が悪いことに気付いた。

軽くめまいがするし、体はだるく息が熱い。




「・・・・帰ろ。」




私は、ひたすらに家を目指して帰った。

だんだん息も上がってくる。



屋上で昼寝なんてしたのがよくなかったんだろうか。

それとも、昨日の夜出歩いて、体が冷えて風邪をひいたのだろうか。

どっちにしろ、なんだか、イライラする。


昨日の夜呼び出したのは間宮君だし、

教室に居られなかったのは、間宮君と美奈のせいだ。




なんとか家の見えるとこまで来ると、真っすぐ歩けているのかも分からない。

あとちょっと、あとちょっと。

そう自分に言い聞かせてドアを目指す。





「ただ・・・いま。」






これで、ゆくりできる。休める。

そう思うとホッとして力が抜けた。





しかし、気を休めすぎたのか、玄関を入ったところで、意識が途絶えてしまった。





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