夢見たものは


なんとか意識を本棚に集中させてみたものの、化学とは一口にいっても、たくさんの種類の本がある。



「あ・・・」


と・・・届かない。
背は高い方だと思うんだけど、良さそうだと思った本は上の棚にある。

周りを見渡したが、上の本を取るための脚立はこの近くにはないようだ。


「はぁ・・・」


溜息をつきながら私は脚立を探しに行こうとした。




「あの。」

「え?」




ふいに7番が話しかけてきた。




「取りますよ。本。」

「え?」

「あの本ですよね?」

「あ、はい。」




確認すると、7番はすっと私の取りたかった本を取った。



「どうぞ。」

「あ、ありがとうございます。」

「いえ。」




か・・・・カッコイイことしてくれるじゃん!



私に本を渡したあと、7番は物理の本を持って去って行った・・・。
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