ポケットにカッターナイフ
正門を潜ってすぐの緩やかな下り坂になっている並木を抜け、校舎と校舎の合間にある駐輪場に自転車を止めると暁は急いで後輪の鍵を掛け籠から鞄を引っ張り出した。

鞄の取っ手に巻いたデジタルの腕時計は朝のHRギリギリの時間を表示している。

慌てふためく暁は、その時気付かなかった。
自分の様子を三階の教室の窓から見ている幾つかの人影に。
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