ポケットにカッターナイフ
片手に鞄を、もう片方の手に革靴を持って階段を一段飛ばしで駆け上がる。
暁の教室は三階の一番奥。

教室の中からは談笑が聞こえてくる。
どうやら先生はまだ来ていないらしかった。

ほっと胸を撫で降ろすのも束の間、教室の外の廊下に備え付けてあるクラス別の靴箱の前で自分の靴箱を探す。
123、と規則的に貼られている出席番号を示す黄色いシール。
暁の出席番号は4。

けれど3と5の間に挟まれた靴箱には番号が割り振られていない。
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