ポケットにカッターナイフ
暁はカッターをペン立てに戻して手離し机を離れ、静かに部屋を出る。
部屋の外は冷房の庇護のない真夏の炎天下。冷えた心地良い部屋に早く戻りたい一心からか、足も自然と速まる。
ポストを調べると中に無造作に引っ掛かっていたのは茶色の封筒だった。
宛先は暁が高校生の頃住んでいた隣の県の住所で、消印の日付は随分と古い。
手書きの宛名の文字の上には郵便局の物らしい大きな「転送」の朱判が押されている。
宛名は「相沢暁 様」
寸分の間違い様もなく暁の名前だ。
封筒を裏返してみても差出人の名前は無い。
部屋の外は冷房の庇護のない真夏の炎天下。冷えた心地良い部屋に早く戻りたい一心からか、足も自然と速まる。
ポストを調べると中に無造作に引っ掛かっていたのは茶色の封筒だった。
宛先は暁が高校生の頃住んでいた隣の県の住所で、消印の日付は随分と古い。
手書きの宛名の文字の上には郵便局の物らしい大きな「転送」の朱判が押されている。
宛名は「相沢暁 様」
寸分の間違い様もなく暁の名前だ。
封筒を裏返してみても差出人の名前は無い。