夢みる蝶は遊飛する
「来年はマネージャー入るといいね」
フォローのつもりで私はそう言ったのだけれど。
「来年入っても、俺ら1ヶ月しか一緒に部活できないし。
よし沙世っ、沙世がマネさんになって!」
唐突に言い出すヒロくんに、沙世はやはり冷静に対応する。
「無理。あたし、尽くすタイプじゃないし、バレー一筋だから」
「やっぱり? まあ俺、沙世がバレーやってんの見るの好きだし」
「変態。キモい。見てんなバーカ」
言葉は悪くても、さりげなく背けた顔がどんな表情を浮かべているかくらいは想像がつく。
ヒロくんは沙世の扱いが上手い。
そう、沙世がヒロくんを扱う以上に。