夢みる蝶は遊飛する
そう、その省略された部分とは。
私をいまだに苦しめる、過去に犯した罪の部分。
本当は、ここで平和に暮らしていることさえも許されないような私。
家族を引き裂いて、人をひとり死に追いやっておいて、なにが幸せになりたいだ。
なにが許されたいだ。
そんなことを、願うことすら許されないのだ、私は。
私が存在していることが、罪なのだから。
私はよく、同じ夢をみる。
そう、今夜も。
真っ白な世界に、突如として現れた幾筋もの炎の柱が捻り合い、ひとつとなり、私を包む夢。
私がどんなにもがいても、泣き叫んでも、誰も助けてはくれない。
すべてお前が悪いのだからと、苦しみ悶える私を見て、嘲笑っていた。
彼が、彼女が。
私を蔑んで、笑っていた。