夢みる蝶は遊飛する

「ここだよ」


駅から10分ほど歩いて、着いた先はスポーツ用品店だった。

4階建ての、小さめの百貨店かと思うほど大きな店舗である。

1階はスポーツウェアのフロアなので、エスカレーターに乗って上へ行く。


「本当に広いね。何から買えばいいかな・・・」


初めて来る大規模なスポーツ用品店に、私はまるで観光地にでも来たような気分になって落ち着きなく周りを見回してしまう。


「細かい物を先に買うと邪魔だから、とりあえず学校に配達してもらう物を注文しようか」


須賀くんの言葉に頷く。


どうやら配達専用のカウンターがあるらしく、そこでカタログを見て商品を注文するらしい。

システムも店の構造もわからない私は、ただ前を歩く須賀くんに着いていくだけだった。

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