夢みる蝶は遊飛する
配達受け付けカウンターに行き、何冊ものカタログを見せられた。
「ビブスは赤と青を15枚ずつお願いします」
男子のものは着用できる状態だったの、必要なのは女子の分だけだ。
女子のビブスは不思議なくらい破れて汚れたりしていた。
どうしたらこんなことになってしまうのだろう、というほど悲惨な状態。
これでやっと敵味方の区別がはっきりして、5対5のときに混乱せずに済む。
「ボールはこれとこれをそれぞれ10個ずつ」
カタログのボールのページを開いて指さしながら言う。
女子と男子では使用するボールの大きさが違う。
少し高いけれど、品質は保証されている老舗メーカーのものを注文した。
磨きながら丁寧に使えば長く持つから、高い買い物ではない。
と言っても、割引がきいても全部で十数万円はする。
「ボールって、意外に高いんだ。俺、自分で買ったのゴムボールだから安いんだよね」
須賀くんが驚いた様子で身を乗り出す。