夢みる蝶は遊飛する
昼下がりの考察
一夜明けて、月曜日。
6時間目の体育の授業。
私と沙世は、体育館の壁にもたれて座っていた。
怠けているわけではない。
バドミントン選択者が多いため、2つのグループに分けて交代で練習をすることになっているのだ。
「で、どうなったわけ?」
沙世がバトントワリングのように、指先でラケットを弄びながら言った。
器用だ。
私も真似してみたけれど、一回転もできずに落としてしまったため、床に傷がつきそうだからやめた。
「どう、って?」
「だから、一緒に出かけて映画見たんでしょ? それでどうなったの」
沙世には、昨日の出来事を話していた。
「一緒に出かけたっていうより、ただ備品買い出しに行っただけだから」
要領を得ない私の態度に呆れたのか、沙世はため息をついた。