夢みる蝶は遊飛する
馴れ合いなど求めていないのだから、壁を作って周りを拒絶すればいいのに。

それくらい、簡単にできるのに。

今までそうやってきたのだから。



感情を殺して無理に大人になろうとしていた今までの私。

そんなかつての自分とは、今は少し違うけれど。

それでもやはり、根底にあるものは変わらない。

心にはまだ、深い闇と傷を抱えている。

一生癒えない、癒えてはいけない傷を。



許されるべきではないとわかっていながら、許されることを期待している。

もう逢えないとわかっていながら、逢える日を待ち望んでいる。

すべてを知りたいと願っていながら、答えから目を背けている自分がいる。



古傷が、ずきりと痛んだ。

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