夢みる蝶は遊飛する
―――どうして私はここにいるの・・・
―――いつから私はここにいるの・・・
母が亡くなった今となっては、その疑問に答えてくれるのは、父しかいない。
私は知らない。
本当に、知らないのだ。
自分について。
私がすべてを知る“その時”は、刻一刻と迫っていた。
それは、崩壊へのカウントダウン。
すべてを知ってしまったら私は、どうなるのだろうか。
それは誰にもわからない。
そしてその夜を最後に、無言電話はかかってこなくなった。