夢みる蝶は遊飛する
12月も半ばを迎え、本格的な寒さがやってきた。
冬休みまで十日を切っている。
私はヒーターと加湿器を稼働させた自分の部屋で、期末考査終了直後に配布された冬休みの課題に取り組んでいた。
そのとき、携帯電話が鳴った。
軽快な音とともに、ライトが点滅する。
いつかの無言電話のことが頭をよぎった。
時計を見てみたけれど、いつも電話がかかってきていたあの時間はとうに過ぎている。
シャープペンシルを机に置き、携帯のディスプレイを確認した。
非通知。
確信は持てなくとも、期待した。
時間が少し違うだけだ。
この電話は、きっと。
この電話のむこうには―――・・・・