夢みる蝶は遊飛する



幸せだよ。


幸せだよ。




微笑んで、何度も何度も繰り返した。


途切れた意識の向こう側でも、ちゃんと父に聞こえるように。

私の声を、いつまでも忘れずにいてもらうために。


閉じられた瞳のその奥に、私の笑顔が焼きつくように。

私の顔を、いつまでも覚えていてもらうために。



幸せだよ。


幸せだよ。



だから。


「お父さんも、幸せになってね」


貴方は今、幸せですか。




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