夢みる蝶は遊飛する
「どうして私は“あそこ”にいたの?」
――どうして一度、私を捨てたの?
「ねえ、教えて・・・。もうお父さん以外に教えてくれる人、いないの」
どうして目を開けてくれないの。
私の声が聞こえていないの。
どうして起き上がってくれないの。
私となんか話したくないの。
自分の生い立ちと、両親の苦渋の決断。
両親が“そう”しなければならなかった理由。
父が“そう”しなければならなかった理由。
母が“そう”しなければならなかった理由。
すべてを知ったとき、私はそれを受け止められるだろうか。