夢みる蝶は遊飛する
「あなたには、それを受け入れる覚悟はある?」
疲労と憔悴の色が浮かんだ彼女の顔には、それでも強い決意が表れていた。
それに応えるために、私も瞳を合わせてしっかりと頷いた。
「誰も、悪くなかった。それだけは忘れないで」
それは、叔父の言葉と同じだった。
遠い昔に置き去りにされていた私は、少しずつ、現在に歩み寄っている。
これから私は、真実を知る。
そのあまりにも辛く悲しい真実の奥底には、切ないほどひたむきな愛が隠されていた。