夢みる蝶は遊飛する



誰が悪いのか。

なにが悪いのか。

私が悪かったのか。

どうすればよかったのか。

すべてがわからなくなった。

夏希さんの話によって。



そう、最後まで、最期まで愛されていたのだ。

母も、私も。

父に愛されていたのだ。


 “そばにいるだけが愛情ではない”


叔父の言葉は、このことを意味していたのだろうか。

父は愛されることを諦め、愛を貫いたのだ。

不器用な父なりの、精一杯の愛を。


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