夢みる蝶は遊飛する
白玉か
何ぞと人の
問ひしとき
露とこたへて
消えなましものを
訳:真珠ですか、なんですかとあの人が聞いてきたときに、露だよと答えて私が露のように消えてしまえばよかった。(そうすればこんなに悲しい思いをせずに済んだのに。)
実はこの内容は前の学校で一年生の頃に既に学習していたため、今回で二度目である。
けれど、佐竹先生の教え方はとてもわかりやすかったため、無駄ではないと思った。
身振り手振りを交え、感情を込めて歌を詠むので自然に記憶に残るのだ。
・・・まあ、彼には関係ないのだろうけれど。
そう思って隣の机に目を向ける。
そこには机に突っ伏して寝ている色素の薄い頭がひとつ。
・・・ずっと寝ている。
私が以前通っていた学校だったら、問答無用で怒鳴り起こされているだろう。
たとえ運動部で朝練のせいで疲れていたとしても、授業で寝ているのが見つかれば厳しい叱責が待っている。
もちろん部活の顧問にもその旨を報告される。
頭の固い顧問だと、少しの間練習に参加させてもらえないこともあるのだ。
平和な学校だな、と皮肉交じりにそう思った。