夢みる蝶は遊飛する
THIRD SECRET
愛は儚く
時間を忘れ、ただひたすら自虐的な祈りを捧げていても、両親が迎えに来てくれるわけでもない。
一緒に楽園へ、だなんて、罪を背負った私にはどれだけ時間が経っても無理だ。
一寸先で待つ未来には、暗闇しか見えない。
あとは独りで堕ちていくのみだ。
そして土に還るのを待つだけ。
朽ち果てたそこに、一輪の花も咲きはしないだろう。
父が私を最期まで想ってくれていたからといって、私の抱えるすべてがなくなったわけではない。
素直にこの孤独を、悲哀を、辛苦を叫んだところで、どうして楽になどなることができるだろう。
私の罪は、消え去りはしないというのに。
母が自ら命を絶ったという事実があるかぎり。