夢みる蝶は遊飛する
これが、私の抱える孤独の原点。
自分の存在に価値を見出そうとする理由。
これでも、私が生まれてからずっと両親に必要とされていたと、一点の曇りもなく愛されていたと言えるのだろうか。
―――どうして私はここにいるの
幼い少女が、私の胸の中で叫んでいる。
押し込めた感情とともに、暗闇で。
叔父の言っていた言葉。
“そばにいるだけが愛情ではない”
その意味が、ここにも繋がっていたのだなんて。
私はこのとき、知るはずもなかった。
すべての秘密が明らかになるその時は、刻一刻と迫っている。
けれど、止まってしまった私の中の時計の針は、動いていない。