夢みる蝶は遊飛する
その間、何度もあなたに会いに施設に行きました。
見るたびに成長するあなたは、いつでも私の生きる支えでした。
けれど、あなたに会うたびに早く治さなければいけないと焦っては、また症状は重くなり、いつまで経ってもあなたと再び暮らすことはできませんでした。
それでも三年以上をかけて、なんとかうつ病を克服した私は、あなたと一緒に暮らすことができるようになりました。
一緒にに出掛けることからはじまり、一日の宿泊をしてみてそれがうまくいけば、一週間この家で三人で過ごしてみて。
そしてあなたが小学校に上がると同時に、私たちはやっと家族三人の生活を取り戻しました。
それからは幸せの連続でした。
亜美の母親で本当に良かったと、あなたの母親であることが誇らしかった。
幸せで、幸せで。
この幸せを絶対に手放さない。
手放したくない。
絶対に守りぬいてみせると、固く誓いました。