夢みる蝶は遊飛する
読んでいる最中は、あまりの衝撃で瞬きさえも忘れていた。
そして読み終えてからも、喘ぐように必死に呼吸をしている自分がいた。
知らされた最後かつ最大の謎は、あまりにも深く重くて、私は今なにを考えるべきなのかもわからない。
どれから考えればいいのか。
頭の中は不気味なほど空虚で、混乱すらしていなかった。
ひとつひとつの事実が結びつき、線になって。
けれどそれでもすんなりと理解できるはずもない。
三度、四度と読み返し、そしてやっと悟った。
私は今まで、大きな勘違いをしていたのだということを。
母は私を責めていない。
その命が尽きるその瞬間まで、愛していてくれたのだ。
こんな私を。