夢みる蝶は遊飛する
「マッチポイントだよーっ! 頑張って!」
コートの外から同じチームの子が叫んだのが聞こえる。
勝つよ! と沙世が闘志のみなぎった声を出す。
チームメイトと目を見合わせ、頷きあった。
こめかみから、汗が一筋つたった。
サーブ権は相手にある。
しかもサーバーはちょうど、バレー部員。
ついていない、と思う間もなく、ネットすれすれでサーブが飛んでくる。
意思を持ったように力強く風を切るそのボールを、誰かが必死で拾い上げる。
「わっ! ごめんっ」
ありえない方向に飛んでしまったそれを、沙世が走って追いかけ、なんとかトスを上げる。
そして、ボールは私に向かって降下してきた。
赤と緑と白のそれが、まっすぐ、私のもとへ。
「亜美、撃て!」
コートの外から同じチームの子が叫んだのが聞こえる。
勝つよ! と沙世が闘志のみなぎった声を出す。
チームメイトと目を見合わせ、頷きあった。
こめかみから、汗が一筋つたった。
サーブ権は相手にある。
しかもサーバーはちょうど、バレー部員。
ついていない、と思う間もなく、ネットすれすれでサーブが飛んでくる。
意思を持ったように力強く風を切るそのボールを、誰かが必死で拾い上げる。
「わっ! ごめんっ」
ありえない方向に飛んでしまったそれを、沙世が走って追いかけ、なんとかトスを上げる。
そして、ボールは私に向かって降下してきた。
赤と緑と白のそれが、まっすぐ、私のもとへ。
「亜美、撃て!」