夢みる蝶は遊飛する
傷つかないように
やけに時間が過ぎるのが早かった。
気づけば夜で、一日のほとんどを部屋にこもって一人で過ごしていた。
なにも考えたくはないのに、私の頭は思考をやめない。
考えても、無駄だというのに。
今さらなにを考えても、どう行動しても、すべて手遅れなのだ。
もう、どうしようもない。
母が罪を背負っていると感じているならば、どうしてそれを私が感じずにいられるだろう。
どうして私が、両親を責められるだろう。
誰も悪くなかった。
たしかにそうかもしれない。
けれど、誰も悪くなかったからこそ、自分だけが悪かったのだと。
そう思わずにはいられなかった。