夢みる蝶は遊飛する






一瞬、あの時と重なった。


試合終了直前、ボールは私に。


まったく同じ言葉をかけられた。



私は渾身の力を振り絞ってできるだけ高く飛び。


そして。



乾いた音が鳴り響き、私の右手にじんじんとした痛みと衝撃が伝わってくる。



相手のコートのちょうど真ん中、不自然なほどぽっかりとあいた誰もいないその空間に、ボールは叩きつけられた。





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