夢みる蝶は遊飛する
その夜、私は祖父母と話をした。
父の生きてきた道と、最期まで抱えていた秘密。
母の下した決断の裏にあったもの。
私もすべてを知らなかった、自身の生い立ち。
そして、その他にも。
自分よりも先に娘を亡くした祖父母の気持ちが、父にわからないはずがない。
父も、最愛の妻を亡くしたのだから。
きっとわかり合えるはずだ。
誰も、悪くはなかったのだから。
私は私を責めることを、完全にやめられたわけではない。
これからもずっと、私は罪の意識を持ちながら生きていくのだろう。
けれど、それを罰だとはもう思わない。
愛は色褪せない。