夢みる蝶は遊飛する
食器を片づけ、テレビのクリスマス特番を観ていると、時計は21時半をまわっていた。
これ以上お邪魔していると迷惑になってしまうため、私たちは帰る準備をし始めた。
また、会えるのに。
冬休みが終われば、またいつも通りの学校生活がはじまる。
それはわかっているけれど。
けれど、寂しさは拭えない。
夢が終わり、現実に帰ることへの、一種の恐怖もある。
目が覚めたらやはり、私は一人なのではないかと。
誰も、ずっと私のそばにはいてくれないのだと。
永遠などないことを、ちゃんと理解しているのに。
それでも、絶対的な永遠を求めてしまう。
誰しも、明日や未来は約束されていないのだ。
嫌というほどわかっているから。
私にはわかっているから。