夢みる蝶は遊飛する


私たち4人は、須賀くんの家を出た。

ヒロくんと沙世は家が近いため、一緒に帰るらしい。

そして、私を送るために須賀くんも家を出るのだという。


「いいよ。本当に近いし」


須賀くんだってもちろん私たちの家が近いことはわかっているはずだけれど、それでも一人では帰せない、と言った。


「うわ、ゆーきカッコいー!」


そうヒロくんに茶化されて、恥ずかしがっていた。


玄関のドアを開けると、うっすらと雪が積もっていた。

いつの間にか降っていたらしい。

ずっと室内にいたから気がつかなかった。


「亜美、残念ね。これくらいじゃまだ雪合戦できないわよ」


沙世が、行きに二人でしていた話を蒸し返す。
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