夢みる蝶は遊飛する

話をしながら歩いていると、曲がり角にさしかかる。

ここで私は曲がり、沙世たちは直進する。


「じゃあね」


そう言って、手を振る。

もう、寂しさは感じなかった。

だって、私たちはまたすぐに会えるのだから。

約束をしたのだから。


須賀くんとふたり、歩きだした。

さくさくという雪を踏みしめる音が、やけに耳につく。


「あのさ、ちょっと寄り道してもいい?」


なぜかを疑問に思って首を傾げながらも頷く。

そして、私の家を通り過ぎて、少し広い道に出る。

彼のあとに続いて歩いていると、住宅地なのに不自然に多くの人の気配がした。

そのまま進み、そして道を曲がると。

< 438 / 681 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop