夢みる蝶は遊飛する
話をしながら歩いていると、曲がり角にさしかかる。
ここで私は曲がり、沙世たちは直進する。
「じゃあね」
そう言って、手を振る。
もう、寂しさは感じなかった。
だって、私たちはまたすぐに会えるのだから。
約束をしたのだから。
須賀くんとふたり、歩きだした。
さくさくという雪を踏みしめる音が、やけに耳につく。
「あのさ、ちょっと寄り道してもいい?」
なぜかを疑問に思って首を傾げながらも頷く。
そして、私の家を通り過ぎて、少し広い道に出る。
彼のあとに続いて歩いていると、住宅地なのに不自然に多くの人の気配がした。
そのまま進み、そして道を曲がると。