夢みる蝶は遊飛する
部員たちが安全に、安心して活動できるように環境を整え、個々人の状態を把握し、怪我などの不測の事態にも迅速に対応する。
それが、私の中でのマネージャーの定義だ。
そして今日は保護者たちに、私が選手のそばにいることが相応しいのかどうか、判断される日であると思っている。
もちろん、来ている保護者たちは私を見に来たわけではないことくらい、わかっている。
自意識過剰なのかもしれない。
けれど、身に染みついた皇ヶ丘学園バスケ部のマネージャーとしての気質と誇りが、私に手を抜くことを許させないのだ。
プレイヤーとして完璧にはなれなかった私にとって、それは悪あがきのようなものでしかない気もする。
マネージャーとしてではなく、プレイヤーとしてこの場にいられたらどれだけ幸せだろう、そう考えないわけではない。
けれど、もう遅いのだから。
私には、無理なのだから。