夢みる蝶は遊飛する
今日は珍しく、顧問の山田先生も体育館に来ている。
パステルピンクのジャージを身につけて。
その姿は、この場にいるすべての部員と保護者を凌いでもっとも目立っていた。
いつもと違って観ている人がいても、私のすることは今までと変わらない。
部員の出欠をとり、ドリンクや器具の準備をし、練習の記録をとる。
必要に応じてテーピングや応急処置もする。
出しゃばりすぎずに、けれどある程度の存在感を出しながら。
私は男女のバスケ部のマネージャーということになっているけれど、男子部については手伝い程度のことしかしていない。
女子関しては、練習メニューを舞と一緒に作ったり、技術的な指導をしたりすることもあるけれど。
ひとつのメニューが終わって集合している時に、私は次のメニューの準備をする。
すぐに次の練習ができるように、先を読んで。