夢みる蝶は遊飛する
私はため息を吐いてから、席へ戻った。
どうしてこうも、うまく立ち回れないのだろう。
これ以上はないほど自分のことが嫌いな私だけれど、まだ失望の余地はあったらしい。
もう少し上手に生きることができていたら、今も両親は私のそばにいてくれたのだろうか。
もう少し勇気があったなら、泣いてすがって無様な姿を晒したとしても、私は幸せだったのだろうか。
もう一歩踏み出せていたのなら、母は今もあの優しい笑顔で、私を包んでいてくれたのだろうか。
もう少し素直だったなら・・・・
そう考えたところで、過去ばかり大切にして、それに囚われているのに、過去の自分を否定するようなことを思ったことを叱咤した。
私は、どうすればいいのだろう。
考えても、答えは出そうにない。