夢みる蝶は遊飛する
「勉強はしてない。ただひたすら課題を終わらせてただけで、なにひとつあたしは理解してないのよ!」
やけになって偉そうに、そう言い放った。
「・・・・。
chapter4、7、9のどれかは出ると思うから、その設問だけでも覚えた方がいいと思うよ」
仕方がないので沙世の言葉は無視して、テキストの出そうな問題を教えた。
課題が配布されたときに、英語教師がそれをほのめかすようなことを呟いていたからだ。
私がそう言うやいなや、単語帳を放り出し、鞄の中から一瞬で英語のテキストを探り出して恐るべき速さで該当するページをめくった沙世。
目を見開いてそれを見つめ、そして。
「・・・・無理」
机に突っ伏した。