夢みる蝶は遊飛する

しゃがんでそれを取り出してみると、それは小さな封筒だった。

白地に、淡い青色の鳥が木にとまっている絵が描かれている。



「なに、それ」


沙世が私の手元を覗き込む。


「わからない。靴に入ってたの」

「ラブレターなんじゃないの?」


沙世が面白そうに茶化す。

そんなはずがないと思いながら、封をされていないそれを開いた。



そこには、一枚のカードが入っていた。

封筒と同じ小さな青い鳥が、今度は羽ばたいている。

可愛らしい丸い目と、柔らかな色彩で描かれたその絵に、頬が緩む。



けれどそこに書かれていたのは、不可解な文字と記号の羅列だった。


< 562 / 681 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop