夢みる蝶は遊飛する
そしてダイヤル式のロックキーが、扉が開かないように簡易的にだけれど取り付けられていた。
三桁の数字を合わせ、それが正しければ開く。
簡素な作りのそれは、工具などを使えば私でも簡単に壊してしまえるだろう。
けれどそれでは意味がないのだ。
この暗号を解き、そして浮かんだ答えをもって、この鍵を開けなければ。
000から999までの1000通りの数字の組み合わせるなどという野暮なことはしない。
高いのか低いのかわからない、曖昧な私のプライドが、それを許さなかった。
幸い、昨日のものよりも暗号自体が易しいものになっている。
少し考えただけで、すぐに答えは導き出されていく。
あくまでさりげなく私にヒントを与え続けていた人物の計画性に驚きながら。
三桁の数字をダイヤルで合わせると、カチリという軽い音とともに鍵が開いた。
そして、私は扉の向こう側へと足を踏み入れた。