夢みる蝶は遊飛する

前の学校のことを少々話していると、HRの時間になったらしく、担任とともに教室へ向かった。

昨日が二学期の始業式で、今日からもう通常授業が始まるのだそうだ。


廊下で待つように言われ、担任はざわつく教室へ入っていった。


ひとつ、ため息をついた。



緊張する。



別に少しでも良く思われたいなんてことは思ってはいない。

でも緊張するものはする。



数分後、担任に教室に入るように促された。

いよいよだ。

私は一歩、新しい世界へ足を踏み入れた。



ざわつく教室。


好奇の目に晒される。


その瞳は、かつて私を刺すように射抜いていたもののように悪意に満ちていたわけではないけれど、条件反射で体がすくんだ。


でも。

私は。

こんなときどうすればいいのかを知っている。

どんな表情をすれば相手に好意を持たれるのかを、私は知りつくしている。


誰にも見破らせたことのない愛想笑いを浮かべて口を開いた。




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