夢みる蝶は遊飛する
「ごめん、本当に・・・・」
それ以上俯いたら首が折れてしまうのではないかというくらいまで下を向いて、絞り出された声はあまりに頼りなかった。
その姿にいたたまれなくなり、止めに入ろうと思った。
皆が言葉を失っていて、誰もなにも言えない状態だったから。
けれど私も、それがまるで自分に向けられたかものであるかのように感じ、委縮してしまった。
誰にも責められないのは辛い。
責められた方がましだと、何度も思った。
自らの不注意で膝を壊し、夢を失った私を責める仲間はいなかったから。
けれど、そんなものは綺麗事だとわかった。
責められることの辛さを知れば、そんな風に思うことはできない。
きっと私は、傷ついたことを正当化したかったのだろう。
勝手に傷ついておきながら、責められたからだという理由をつけたかったのだ。