夢みる蝶は遊飛する

「それをしてくれたのは部活のマネージャーの子で、いつも自分たちのために部活中休む間もなく走り回って尽くしてくれてる、すごい子だって言ってた」


その言葉に、嬉しさも気恥かしさも感じたけれど、それ以上に痛みが胸を占めた。

私は利己的で、皆のことを考えているように見せかけて、尽くしている自分に酔って勝手に満たされた気分でいたのだ。

そんな風に評価されるべき人間ではない。


そう、消えそうな声で呟くと、先生は聞き分けのない子どもを見るような目を私に向けた。


「結局、あなたを無価値にしてるのはあなた自身じゃないの?」


私が、私の価値を無くす。

その意味がわからなかった。

だって、私は存在する意味と価値が欲しくて今までやってきたのだ。

それなのにどうして。



「けなされたら傷つくのに、褒められたら否定する。そんなんじゃ、いつまで経ってもあなたはあなたを受け入れられないわ」


その言葉は的を射ていて、反論も、わからないふりもできなかった。


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