夢みる蝶は遊飛する




男子の結果として最後となった試合が始まる直前、一年生から三年生まで全員が一列に並び、スタメンの選手がひとりずつ走りながらハイタッチをしていった。

力強くて、あたたかくて。

彼らのその手には、全員の希望が託されていた。

それを抱えるにふさわしい彼らの姿が、なぜだかぼやけて見えた。





そしてその日、バスケ部の男女合わせて26人とともに、私は引退した。

バスケという私のすべてを賭けた夢が、終わったのだ。


それは、悪夢にも似た夢だったけれど。

それでもとても、幸せな夢でもあった。


< 670 / 681 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop