夢みる蝶は遊飛する
「二週間後の中間考査、俺と高橋さんで勝負だっ!」
中間考査。
そういえばそんなものもあった気がする。
すっかり失念していたけれど。
でも、それなら。
「私が結果を教えなければ、勝敗はわからないでしょう?」
しかし、甘かった。
ここは東京ではない。
私立高校ですらない。
「はっはーん、知らないなら教えてやろう。な、祐輝。説明しろ」
偉そうにふんぞり返りながら、説明は須賀くんに押しつけていた。
須賀くんは須賀くんで、なぜかかけてもいない眼鏡を上げる仕草をして、ひとつ咳払いをしてから厳かに口を開いた。
「我が西陵高校は、各考査の成績上位者を張り出すのです。教科ごと上位20名、総合は10名ずつ」
私は卒倒しそうになった。
そんな制度があるなんて、聞いていない。