夢みる蝶は遊飛する
月夜の懺悔
私がこの学校でしっかりと勉強をしているのは、いい成績をとっていい大学に行くためではない。
学費を負担してくれている祖父母の手前、適当に日々を過ごすのはどうしてもはばかられるからだ。
たとえば毎日遅刻寸前で登校してきたり、ときには間に合わなくて遅刻したり。
授業のほとんどを寝て過ごしたり、予習をやっていないために当てられても答えられなかったり。
ついこの間まで隣の席だった、誰かのように。
そんな彼の毎日を否定するわけではないけれど、私には彼と同じことはできない。
けれど彼 ―須賀くん― は、たしかに言ったのだ。
自分にできることは何でも手伝う、と。
それなのに。