夢みる蝶は遊飛する

夕食を済ませたのち、勉強を再開する。


10月中旬の今は、昼間は暖かい陽光が降り注ぐけれど、夜は少し寒く感じる。

長袖のカットソーの上に、カーディガンを羽織った。

紺色で、左胸に金・赤・緑の刺繍が施してあるそれは、皇ヶ丘学園指定のものである。

その刺繍は皇ヶ丘学園の校章であり、明治時代の創立当初からデザイン自体は変わっていないらしい。

なにを表しているのかはわからないけれど、躍動的な印象を受けるエンブレムである。


本当は、こんな左胸の刺繍はむしり取ってしまいたい。

皇ヶ丘学園との関わりすべてを消し去ってしまいたい。

犯した罪の大きさが、私を責めつづけているから。

課せられた罰の重みが、私を押しつぶしてしまうから。

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