夢みる蝶は遊飛する
私たちの存在を忘れたかのように、二人だけで話をしている。
もう教室に入ってもいいだろうかと、須賀くんと目だけで会話をしていると。
「高橋さんが勝ったら俺が何でも言うこときくって話だったから、なんか考えといて・・・・」
柏木さんにすっかり生気を吸い取られた桜井くんがそう言った。
「うん。でも、もう決まってるの」
「え?」
柏木さんと桜井くんの声が重なった。
「条件って言った方がいいんだけどね」
「な、なんの条件?」
キャプテン二名ではなく、須賀くんがそう訊ねた。
「マネージャー、やるよ」