5月1日―幸せの訪れる日―
学校
鈴side
「行って来まーす」
「行ってらっしゃい。気をつけてね」
「はぁーい」
んー良い匂い…
外にでるとガーデニングが趣味のママが植えたお花の良い匂いがする。
その花たちの間を歩き家の敷地から出る。
そして一番最初に曲がる角に差し掛かる時に…
「おはよ、鈴。」
「樹、おはよ」
私の彼氏、田中樹が自転車に乗って待っている。
「んじゃぁ行こうか」
「うん」
私は樹の乗っていた自転車の後ろに乗って樹の背中をきゅっと掴む。
「よし。じゃぁ行くか。」
樹は右足で地面を蹴る。
自転車のタイヤがくるくる回り始める。
ここは下り坂。
ここを自転車で下っていく時あの恋の歌が私の頭の中に浮かぶ。
昔小さい頃あの歌を聞いて
こんな事をしてみたいと思ったものだ。