5月1日―幸せの訪れる日―
恋がこんなに苦しく悲しいものだったなんて
俺は知らなかった。
俺は恋って言うのは甘くて楽しくて幸せなものだと思っていた。
やっぱり兄弟だからか?
姉と弟だとダメなのか?
俺、本当は鈴の彼氏の前に立って堂々と
『俺はずっと昔から鈴のことが好きだったんだ。
お前になんか渡せない。絶対、渡さない。』
堂々と言ってみたい。
いえるわけなんか…無いんだけど。
言えたらどんなに楽なんだろう。
でも言ってしまったら…
中2の俺でもわかる。
親を苦しめる。
鈴を苦しめる。
だから、言えない。何でこんなに苦しいんだろうか。
頬に暖かいものを感じる。そっと頬に手を伸ばし触る。
暖かいものの正体は………
涙だった。
何で涙なんか…