5月1日―幸せの訪れる日―
俺…ブーム??
蘭side
「蘭君、ちょっといいかな?」
「芦原先輩、ちょっといいですか?」
『蘭~またまたお呼び出しだぞ!!』
この言葉にはもう聞き飽きた。
クラスメイト兼一番の友達である壱曰く学校には今俺ブームが来てるんだと。
今、人生初のモテ期到来ってわけです。
1~2人なら未だしも5~6人だぞ。
聞いてるこっちの身にもなれってんだ。
まぁ、嬉しくないわけなんかないんだが……
俺には鈴しかいない。
皆には丁寧にお断りしてる。
てか中2の俺と付き合ったってさ、すぐに終わる気がする。
俺はまだ子供だ。何も判っていない。
このまま、誰の告白も受理する事も無く
生活をして行くつもりだったのだが…
彼女からの告白により、運命が変わる。。。
それは冷たい雨が凄い音を立てて降っている日の
午後…昼休みの事だった。
いつものように呼び出された俺。
今日呼び出されたのは図書室だ。
内の学校の図書室は校舎の裏側にあり、薄暗く、
利用する生徒はあんまりいない。
俺はそんなところに行く羽目に…
正直行きたくないのだが、流石に呼び出した人がかわいそうだ。
俺は昼休みになると、図書室に向かってゆっくり歩き出す。