5月1日―幸せの訪れる日―

鈴side



「参ったわぁ。誰から風邪もらってきたのかしら。鈴、あなたも気をつけなさいね」

家に帰ってきたらお母さんが溜息交じりに言う。

だから蘭、朝起きてなかったのか…

「はーい」

あっ宿題しなきゃ。

自分の部屋で宿題をする。

その横ではスノゥとマロンが遊んでいる。


1時間ほどたっただろうか。

マロンが私の足にスリスリしてくる。

「どうしたの?マロン。」

と問い掛けても返事が来るわけなんかない。

「もしかして、蘭が心配なの?そっか。じゃぁ、蘭の部屋に行こうか」

蘭という名前を聞くとマロンは尻尾をパタパタ振る。

マロンは蘭のことが大好きだものね。

私もちょっと蘭のこと気になるし。

私はマロンを抱き、蘭の部屋まで歩く。


……ノックするべきかしないべきか。

本当はしたほうがいいんだけど、寝てるかもだしな…。

いいや。ノックしながら開けちゃえ。

「蘭?大丈…」

言い終わる前に、部屋の中を見て驚く。

そこには、綺麗な髪の女の子とキスしてる、蘭がいたから。

「あっごめんなさい。彼女さん…来てたんだね。ごめん。ごゆっくり。」

私はそういって部屋を出る。

胸がちくちく痛む。


何で?何で胸が痛いの?


何で?何で私は涙を流しているの?

自分の事だけど分からない…

マロンが心配そうに私の頬をなめる。

「ごめんね、お部屋、行こうか。」

私はぎゅっとマロンを抱きしめ部屋に戻る。


私は机に顔を伏せて考えていた。

そうだよね、中学生だもん。

彼女、いるよね。

って…何で私はそんな事考えてるの?

私には樹が居るじゃない。

彼女…美人だったな…。


そのうち、私は眠ってしまっていた。


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