5月1日―幸せの訪れる日―
夢を見た。
5歳くらいの私と…蘭、がお砂場でおままごとをして遊んでいる。
「ねぇ、ラン。スズね、しょうらいはランのおよめさんになるの!」
「ぼくはスズのだんなさんになるんだ。スズ、だーいすき」
そういって手をつないでほっぺにキスをする。
「えへっランのほっぺにちゅうしちゃった。」
「ぼくも。」
ランも私のほっぺにキスをする。
「ぜったいけっこんしよーね」
幸せな気持ちで溢れ返っている私…
そして次に出てきたのは蘭の悲しそうな顔。
「俺、鈴のことが…」
「だめ。言っちゃだめ。」
蘭の悲しそうな顔はもっと悲しそうな顔になる。
「鈴、俺のこと、きらい?」
今度は悲しそうな顔をした樹が出てきた。
「きらいじゃないよ。」
「じゃぁ、好き?」
「………。」
黙り込む私。
何で黙ってるの?私は樹が大好きなんでしょう?
また景色が変わる。
「鈴、俺瑞穂と結婚するから。お祝いしてよな、姉貴。」
瑞穂さんと手を組んで、幸せそうに笑う蘭。
瑞穂さんも幸せそうだ。
私に『いいでしょう?』と言っているみたいに。
「じゃあな、姉貴」
蘭はもう、私のことを鈴と呼んでくれない。
なんで?
兄弟なんだからいいじゃない。
名前呼んでよ。
私はそこで目を覚ました。
この、夢の伝えたい事は…一体なんだったんだろう。